体罰:県の防止策、早期対応に重点 繰り返す教員、厳しい処分も /三重

体罰:県の防止策、早期対応に重点 繰り返す教員、厳しい処分も /三重
毎日新聞 2013年1月24日(木)15時16分配信

 大阪市立桜宮高校の男子生徒の自殺を巡り体罰が問題視される中、鈴木英敬知事が23日発表した運動部活動などでの体罰未然防止・再発防止策。体罰専用相談電話の新設など体罰に関する情報ルート確立や、情報共有による早期把握・対応に重点を置き、体罰を繰り返す教員に対しては厳しい処分を打ち出した。【田中功一】
 県内では、今年度も教員7人が体罰行為で文書訓告処分を受けており、県教委が昨年12月、関係課長による会議を設置して防止策を検討していた。
 専用電話は今年度中に津市の県総合教育センターに設置。このほか、体罰を行ったり見聞きした教員は必ず校長に報告するよう指導の徹底を図るとともに、各学期に1回程度は教員に対する調査や生徒アンケートを実施するよう求め、早期の情報把握に努める。
 校内で体罰が発生した場合は、学校の教員全体で情報共有し、県教委も必要に応じて指導主事を派遣し助言。事実関係の調査は、教員だけでなく生徒からも聞き取りを行い、早期に対応する。
 また、桜宮高の問題を受け、体罰が常態化している教員には停職や減給を含む厳しい処分で臨み、一定期間、研修を実施したり、部活の担当から外したりする方針も決めた。
 県教委は、津市で指導者研修会を29日に開き、体罰が原因の裁判やトラブルなどを示し、運動部の顧問や外部指導者に体罰防止策の徹底を図るという。
 一方、県教委は、文書訓告処分を行った7件の体罰事案の内容を明らかにした。
 公立小学校と県立高校で各3件、県立特別支援学校で1件。小学校では、遠足で児童を引率して公園に行った教員が、他校の5年生男子児童の足をけった。男子児童は知らずに立ち入り禁止場所に入ったが、教員は、児童の行為に腹を立ててけったという。
 高校では、運動部の合宿中、部の顧問が1年生の男子生徒の顔を平手でたたいた。生徒が素直に事実を話そうとしなかったため我慢できなかったという。
 鈴木知事は「いかなる場合も体罰は絶対に許さぬということを教員に徹底して再発防止に努めたい」と話した。
〔三重版〕
1月24日朝刊

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